ルーミス本の著作権失効の真偽に迫る

06 07, 2013
ルーミス

※2016年追記
思いつきで書いたこのページに結構なアクセスがあるみたいなので、頭に結論を追記しておきます。

ルーミスの著作はルーミスの没後50年経っているので国によっては著作権が失効しています。
しかし米国やEU諸国では著作権の保護期間が70年なので失効までまだしばらくかかります。

日本では戦時加算があるので一部の著作物に関しては著作権が存続しています。
Fun with a Pencilは2020年5月22日まで、Figure Drawing for All It's Worth(やさしい人物画)は2019年4月29日まで権利が存続します。(参考:本の虫/ルーミスの著作権は一部存続しているはず

現在、ルーミスの著作物に関する権利は一括して弁護士が管理しています。drawingbooks.orgの管理人が権利者の連絡先を知っています。


ルーミス本の著作権

最近はお絵かきを趣味としている。初めのうちは何を描いても楽しくて、鉛筆を持ってさえ居れば上達する。日進月歩の喜びを謳歌する。しかしそんな幸福はすぐに過ぎ去り、成長は鈍化。最初の壁だ。初めのことを思えばずっと上手くなっているにもかかわらず満足できない。人間とは欲の深い生き物だ。「財産が喜びを与えてくれるのは、それが増える時だけだ」インド映画、paheliにこんなセリフがあったことを思い出す。成長しなければ面白くない。

そんなわけでわたしはお絵かき、とりわけ人物画が上達する方法をネットで検索し始めた。絵も描かずに上達への近道を検索する日々。筆が進まないのだ。反復練習をしても効果が実感できない。一枚絵を完成させようにも、手持ちの道具は全て試した。苦労して描きあげて、それで満足できないとなると目も当てられない。末期症状である。これをこじらせると絵も描かずに2チャンネルなんかで人にアドバイスを始めるらしい。

話がそれたが、その闘病生活の中で頻繁に目にし、あらゆる場所で推薦されているのがA・ルーミス著「やさしい人物画」であった。1939年に書かれたその本は、ジャック・ハムの「人体のデッサン技法」と並び日本のイラスト業界のバイブルとなっている節がある。もちろんこれらの著作が世界的に評価されているのは間違いない。しかし殊更日本で、というところが大変に興味深い。中国の水墨画を端緒とし浮世絵で花開いた日本のイラスト、線画という輪郭で物を捉える文化が、西洋のデッサンという面で物を捉える文化と融合し「萌え」が生まれたということになる。

また話がそれた。進まないので本題に入ろう。ルーミスの著作権についてだ。ルーミスの「やさしい人物画」について検索すると、著作権が失効しているという情報を目にする。著作権が切れているのなら、重要なエッセンスだけでも翻訳してここにブログで紹介してみるのもいいのではないかと思ったので、いろいろ調べてみた。あるいは誰かが翻訳していて、しかも公開してくれているななんてこともあるのではないかという期待もあった。

http://oekakigakusyuu.blog97.fc2.com/blog-entry-243.html

>ルーミス先生の著書は現在、洋書では絶版のようで
>ルーミス先生は、遺族が著作権放棄したとかで
>過去(2004年頃)に、無料配布祭りというのがあったそうです。
>※著書は著作権が切れパブリックドメインになっているらしいです。

お世話になっているサイトだが、情報が伝聞調になっていてはっきりしない。結果的にこの情報は間違っているが、非難する気はない。他にも大体こんな情報が散見される。

■ルーミスは1959年に没していて、死後50年が経過しているのですでに著作権が切れている
■そのため、「やさしい人物画」を初め彼の全ての著作がPDFで公開されている
■いや、戦時加算があるのでいくつかの著作に関しては著作権が残っているはずだ

整理しよう。まずアメリカでは著作権の保護期間は50年ではない。70年だ。日本では戦時加算があるのでやはり著作権は切れていない。日本でもアメリカでも著作権は切れていないが、たしかにアメリカではいくつかのサイトでパブリックドメインとして公開されている。インターネットアーカイブにアップロードされている点、信頼がおける。つまり権利者の許諾のもと公開されているのだろうという信頼だ。

http://archive.org/search.php?query=creator%3A%22Loomis%2C+Andrew%22

アメリカでは失効しているが日本では敗戦国のペナルティのために保護されている、となれば歯噛みして悔しがるしかないのだが、こうなってくると話はかわってくる。ルーミス本の著作権がどんな状況に置かれているか気になり、pdfを公開しているサイトをいくつかあさってみると、出所と見られるサイトを発見した。

http://www.saveloomis.org/

>Due to a cease-and-desist letter from the current copyright holders of the Loomis books I have been forced to take down all copies of his work from my site.

このサイトの管理者が出所とみて間違いないようだ。ちなみにこの管理者は、これをきっかけに、あらゆるお絵かき本を公開するサイトを立ち上げている。

http://drawingbooks.org/

どの本が良いかと問われるとわたしには判断しかねるが、この手の本は英語が読めない人であってもそれなりに楽しめるとおもう。


わたしはこのsaveloomis.org/の管理者にメールをしてみた。

なんにせよルーミスの著作に関する権利は現在、一括してある弁護士が管理しているらしかった。おおかたルーミスの遺族は著作権の管理が煩わしくて丸投げしてしまったのだろう。
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元バックパッカーの引きこもり、世界に飛び出す引きこもり。当初は役立つ情報を、と思っていたんだけど自分の興味しか書けないね。

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